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資産管理の自動化の成功を左右するのは、CI(構成アイテム)の定義と関係性の管理

資産管理を効率的、効果的に実施するためには ポリシー(社内規程)/体制(役割と責任の定義)/ライフサイクル業務プロセス/ガイドライン-手順の策定と、中長期的なロードマップを持った IT資産管理プログラムの運営が必須となる

プロセスを効率化するには、どのような自動化テクノロジーを使用するかの選択が重要となるが、テクノロジー(管理ツール)を導入しただけでは失敗するケースが多い

多くの場合、資産管理の自動化の成功には欠かせない CI(構成アイテム)の定義と、CI の関係性の定義が明確でないことに起因する。

残念ながら CI の関係性は全ての組織で同じというわけではない、契約やソフトウェアライセンスの買い方などにより CI の関係性が異なることから、ツールを導入すればテンプレートで自動化してやってくれるというわけではないところが失敗を導く要因となっている。

対策としては、具体的には、ハードウェア、ソフトウェア毎に関係する CI を洗い出し、その関係性をトポロジーマップにして効率的な管理が評価対象のツールで可能かを評価することが大切だ。

CI は、 ハードウェアに関係するリース契約、保守契約などから、ソフトウェア契約、ライセンス、使用条件などあるが、ソフトウェアの購入形態により、その関係性は異なる。

同じソフトウェアでも異なるライセンス形態の契約を複数保有している場合などは、親 CI となる 「ソフトウェア名称」 に、「ソフトウェア契約」 の子 CI が複数存在し、それぞれの子 CI には付与されたライセンス数の孫 CI となる「ライセンス(使用権)」が存在する。

このライセンス CI は、その条件により割り当てられるデバイス(またはユーザー)紐付られる。

具体的には、MS Office 2010 のボリュームライセンスを各部門で保有し、パッケージやOEM版なども、ある部門では保有している場合などは前述のCI の関係性を管理し、それぞれの契約に紐づき割り当てられたデバイスが特定できなければならない。

これらは、ソフトウェア契約の内容や保有するライセンスの形態により管理するために必要なCI が異なるため、まずは現在の状態を把握し、求められる管理対象となる CI の粒度を定義し、CI 間の関係性を可視化することが必要となる。

サーバー アプリケーションの契約で、コア単位のキャパシティ ライセンスという形態であれば、サーバー ハードウェアの CI は、サーバーの親 CI に、CPU という子 CI、コアという 孫 CI が紐づき、これら孫 CI に割り当てられた「ライセンス CI」 を追跡し、管理する必要がある。

CI を定義し、CI の関係性を定義した上でツール(CMDB やITAM リポジトリ)のテーブル設計と比較し、もとめているレベルの管理が可能かどうかを評価することが重要だ。ツールベンダーの言う「安心してください、自動化できますから」は決して信用して鵜呑みにしてはいけない。「何を」、「どこまで」自動化するのか、はすべて、ユーザがツールをどのように運用するのかに依存しているということをお忘れなく。自動化されるのは定義され正しく投入されたデータを処理するための機能が備わっている時に初めて実現される。

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