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Oracle ULA終了準備! ~ULA包括契約終了に向けて、今なにをするべきか?~

ULA終了準備最初の一歩
ULA の Exit (満了時のタイミングの契約終了)においては、「契約内容をよく理解する」ということにつきます。これが簡単なようで、実際は非常に困難なのです。なぜならば、契約内容とはOMA(Oracle Master Agreement)や、ULA のOrdering Document の使用許諾条件を網羅的に理解する、ということだからなのですが。これが実現されている組織が非常に少ないのです。OMA の難しさは、URL や関係文書において定義される使用許諾条件の複雑さであることは以前のコラムでも解説しています。OMA は、ユーザー毎に違いはないのですが、使用許諾条件の解釈はユーザー環境によって異なるので注意が必要です。さらに、ULA の Ordering Document における使用許諾条件はユーザー毎に異なるので、これらの使用許諾条件を正確に理解し、遵守する必要があります。欧米では、このULA の使用許諾条件への遵守で失敗してExit できないユーザーが少なくないと言われています。そのような場面で欧米でよく言われるのが「The devil is in the details.」(細かいところに落とし穴)です。

契約書のレビュー
特に重要なのは、ULA の Ordering Document をしっかりとレビューして理解し、チーム全体で共通の認識を確立することです。使用許諾先国、使用許諾先組織、製品、エディション、ライセンスタイプなどから、Ordering Document で定義されるすべての条項をしっかりと理解し、コンプライアンスの条件や証明プロセスの条件などを正確に理解した上で、Exit に関係するチーム全員の共通の理解を確立し、役割と責任を定義して終了計画を設計することです。
本来は、VMO(Vendor Management Office)やベンダーマネージャがこれらの責任を持ちますが、それらの役割と責任が定義され、体制が構築されていない場合は、役割と責任や体制から定義し、「契約書の理解の責任」は誰にあるのか、「能力」は担保されているのか、からしっかりと見極めることが大切です。
ULA の Ordering Document の使用許諾条件を網羅的に理解していないチームが「なんとなく」でExit の準備を行い、役割と責任だけを負わされるのはデスマーチへの一歩と言わざるを得ません。必要であれば「専門家」に相談してください。
レビューに必要なメンバーは以下の通りです:

① ULA のOrdering Document におけるライセンス定義および使用許諾条件定義がどのような経緯でなされたのかを把握している人
② ULA で定義されたライセンスの自組織のライセンスニーズを理解している人
③ ULA で定義されたライセンスの自組織の実装状態、運用環境、ライセンスの消費状態を理解している人
④ OMA/ULA の条項を読んで内容を正確に説明し、共通の理解を確立することができる人

多くの場合、①から③までは自組織内部にいる誰かが責任を負わなければなりません。一方で④ については自組織にはベンダーマネージャがいない、という場合は外部の「専門家」を利用します。④ はベンダーマネージャの役割と責任であり、④ の「能力」を担保することで、①から③の現状からコンプライアンスの状態やExit の戦略を設計することが可能となります。
どのベンダーのライセンス契約も複雑化が進んでいるので、理解することは難しいことではありますが、不可能なことではありません。体制、役割と責任、能力を担保し、正しいアプローチによりプロセスを設計しコントロールすることで、しっかりとライセンス契約などのガバナンスコントロールを得ることが可能です。

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