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Oracle ULA (包括契約)は、なぜ終了できない?

1年~5年 の ULA 契約は、そもそも期間満了で終了する想定の契約だった
Oracle の契約は OMA(Oracle Master Agreement)/TOMA(Transactional Oracle Master Agreement) から Online TOMA へと変化し、Ordering Document で定義される ULA(Unlimited License Agreement)で利益を享受できるユーザーとそうでないユーザーの差は大きくなる一方です。
「なんだか損している気がする・・・」と思われている組織の問題は、「交渉力が不足している」ということにつきます。
しかも、自ら求めるわけではなくULA を持つ組織にとって、「満期の際に終了してコスト削減はできないのか?」という疑問がULA契約期間中、ずーっと、もやもやとわだかまった状態のユーザーが増えているようです。
そんな皆さまに朗報です。そもそも ULA は満期で終了するのがデザインです!
では、なぜ終了できない組織が多いのか?
実は問題は、なぜ、ULA になったのか?にあるのです。
Oracle ライセンスの契約や使用許諾条件を理解していない、あるいは、その使用許諾条件の解釈を理解していない組織において、Soft-partitioning の仮想環境、共有ストレージ、スタンダード版における OEM(Oracle Enterprise Manager)の エンタープライズ版 有償オプションの無意識での利用は、コンプライアンス違反の致命傷です。これらの場合において ULA によってコンプライアンス違反で発生する違約金や遡及(そきゅう)など含めた監査補正請求に対する「猶予期間」を買う、というのが昨今の実際の適用なのです。(Oracle営業さんにそのような説明を受けた方も少なくないのでは?)もちろん、ULA を望むユーザーにとっては、これから数年間にわたって20%以上のデプロイメントの増加が見込めるので、ULA で交渉して満了時に必要なパーペチュアルライセンスを持って終了し、通常の保守契約に戻すのであればユーザーにとっての利益となります。
しかし、残念ながら多くの組織が「猶予期間」を買うために ULA を余儀なくされています。しかも、本当に必要なライセンスボリュームをよく理解しないままさらに、ライセンスの運用状態が理解できていない状態が継続され、満期でULAを終了できずにULAを更新し続けるケースが多いのです。そして、その原因は、そもそものULA を余儀なくされた原因と全く同じである、「コンプライアンス違反」なのです。
そして、なぜコンプライアンス違反になりULAを終了できないのか? の理由は、至って単純で、「使用許諾条件とその解釈を理解できていない」という理由にほかならないのです。

包括契約、Unlimited は「無制限」という意味ではない!
ULA には様々な制限があり、これらを交渉して解除や必要な定義をしておかないと、永遠にコンプライアンス違反の呪縛から逃れることはできません。

① 使用国:日本
本当に日本だけでいいのですか?パブリッククラウドでバックアップのため2ndリージョンを使いませんか?グローバル組織で他国からの利用はありませんか?拡大する予定はありませんか?
② 使用許諾組織:ライセンシーとサブライセンシーの定義
交渉して定義しておかないと、購入者として登録された組織の社内利用でしか利用できません。
③ Unlimited の対象製品
どの製品がUnlimited なのかを把握して運用していますか?対象製品は仮想環境での消費や、共有ストレージ、承認されたパブリッククラウドなどで利用されますか?
④ オプション:OEM (Oracle Enterprise Manager)は無償だと思い込んでいませんか?

IT部門は契約書に弱い
そもそもITテクノロジーの専門家であるエンジニアは、契約や法律の専門家ではありません。
使用許諾条件が付されたライセンス製品を組織の契約により異なる条件を管理して運用することは、非常に困難なタスクなのです。
複雑化したIT環境に対応したOracleライセンス契約書などはライセンスベンダーの中でも最も複雑です。
エディションの違い、オプションの条件、仮想化(物理/論理)、クラウド(パブリック/プライベート)、本番/開発/テスト/DR 環境の違い、ライセンスモデルなどの要素から、前述の使用許諾組織の範囲、ホスティングライセンス、自社アプリケーションホスティング登録、などなど、専門的な知識が要求されます。
しかし、これらの情報を把握し専門的知識をもとに解釈や判断ができれば、ULA を終了することは難しいことではないのです。そもそもが満期で終了するデザインなのですから。

ULA 終了の準備ステップ
① 現状のライセンス利用状況を正確に把握する
ライセンス違反やULA を違反している項目があると、3年後に遡及(そきゅう)の対象となり終了するためには莫大(ばくだい)な監査補正請求書の支払いが求められます。デジャブですか?
ULA の契約条件を正しく理解し、遵守状態を構築します。→ これができていない組織が多いのです。これが終了できない最大の原因です!
そもそもライセンスの消費状態を正確に把握するのはライセンス契約書をもつビジネス組織としてあたりまえのコンプライアンス確認の行為です。代理店やパートナーがやってくれない!というのは言い訳になりません。ガバナンスは自らがコントロールしなければならない、今こそ自らがコンプライアンスをコントロールできるように体制を構築しましょう。
② 必要な是正を講じる
ライセンス違反、コンプライアンス違反がULAの終了を妨げる最大の原因であれば、是正してコンプライアンスを維持さえすれば、終了できるのです。
③ 証明プロセスの準備をする
ULA を終了する際の 証明プロセスを理解し、実際には監査がきても正しくコンプライアンス情報(監査スクリプトデータなど)を提供し、違反がなく問題がないことが証明できる状態を維持します。
④ 必要なパーペチュアルライセンスを維持して保守費用を支払う

これら①~③ は、Oracleライセンス契約の専門家と一緒に対応することで確かな情報をもとに解釈を理解し、対策を講じることが可能となります。そのようなニーズに対応したライセンス分析サービスやアドバイザリサービスなどは欧米では一般的で、日本でも利用可能なサービスがありますので、ぜひご相談ください。

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